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エストロゲンとプロゲステロン

こんにちは!診療所スカイ院長の鈴木です。

慣れない作業と遅筆のため、なかなか新しい投稿が出来ておりませんが、少しずつ頑張ってまいります。
長い目で見守っていただければ幸いです(^^;)

前回の投稿では、「エストロゲンは子宮内膜を厚くする」「プロゲステロンは内膜を柔らかくして、血管を作る」くらいしかお話しなかったので、今回は少し詳しくお話したいと思います。

エストロゲンもプロゲステロンも、いわゆる「女性ホルモン」です。巷のイメージでは、おそらく「女性ホルモン=エストロゲン」だと思います。これは「女性らしい体」を形作るために、エストロゲンの役割が多くを担っているためですが、プロゲステロンも大事な役割がありますので、この機会に覚えていただけると良いかと思います。


前述しましたが、エストロゲンは「女性らしい健康的な体」を作るために働いています。

思春期には、乳房で乳管の発育を促します。皮膚では、コラーゲンの合成促進や皮脂腺の分泌抑制に作用します。骨では、骨量の維持やコラーゲンの合成促進に作用します。血管では、血管拡張作用や抗動脈硬化作用を認めます。肝臓では、LDL(悪玉)コレステロールを下げ、HDL(善玉)コレステロールを増やします。







そのため、エストロゲンが減ると、皮膚にはにきびやしわが出来、骨粗鬆症になり、動脈硬化や高脂血症となります。
すべて年齢を重ねた女性にみられるものですよね。

エストロゲンの低下によって出てくるのが更年期症状ですが、エストロゲンは更年期になって急に低下するわけではありません。40歳を過ぎる頃から、徐々に分泌量が減っていきます。加えて加齢による体の変化も出てきますので、40台になったら、それまでの生活習慣を見直すとともに、より健康管理を意識して、早めの対処を心がけて快適な生活を送り続けられるようにしましょう。

さて、女性ホルモンの作用に話しを戻しましょう。

肝心の子宮での作用として、妊娠していない時は、子宮内膜の増殖・肥厚だけでなく、子宮頸管の粘液の分泌を増やし、粘調度を下げ、牽糸性を上げます。妊娠すると、子宮の筋肉の発育・増大、頸管熟化に作用します。

プロゲステロンは、この子宮での作用について、おおむねエストロゲンとは逆の働きをします。

妊娠していない時は、肥厚した子宮内膜を分泌期様(妊娠しやすいよう)に変化させます。子宮頸管の粘液の変化は、分泌を減らし、粘調度を上げ、牽糸性を下げます。妊娠すると、子宮内膜を脱落膜様に変化させます。

ところで、ややこしい言葉が出てきました。粘調度?牽糸性?

粘調度とは、粘液の粘り具合のことです。これが下がるということは、さらさらした粘液となります。逆に上がると、ネバネバした粘液となります。

牽糸性とは、どれぐらい粘液が伸びるかと言うことです。これが上がるということは、粘液をすくうと良く伸びる(だいたい10cm以上伸びます)状態になります。逆に下がると、まったく伸びない(のりみたいな)状態になります。

なぜこのような変化が生じるかと言えば、妊娠しやすくするためです。

分泌量が増えた、さらさらした粘液であれば、精子は子宮内に進入しやすくなり、卵子までたどり着きやすく(受精しやすく)なります。また、分泌量が減った、ネバネバした粘液であれば、余計な精子や雑菌が子宮に侵入してくることを防ぐことが出来ます。

日頃の分泌物(おりもの)の多い少ないは、体質の問題もありますが、この女性ホルモンの影響です。ただし、さまざまな病気によってもおりものは変化しますので、気になる時は産婦人科に相談しましょう。

体の中のすべてのホルモン分泌は、フィードバック機構で調整されています。このフィードバック機構は基本的にはネガティブ・フィードバックです。

要するに、最終産物が多くなると、これの刺激を受けて大元のホルモンの産生を少なくさせる機構です。

なので、視床下部ー下垂体ー卵巣の間では、卵巣で産生されるエストロゲンの分泌が多くなると、これが視床下部を刺激してGnRHの産生を抑えるように働きます。需要と供給のバランスをとっているんですね。

ところが女性ホルモン産生には、ネガティブ・フィードバックだけでなく、ポジティブ・フィードバック機構も存在します。理由は簡単。卵子を育てるためです。

ネガティブ・フィードバックだけですと、FSHの分泌が止まってしまいます。当然、卵子を育てることが出来なくなってしまいます。

そのため、卵子が発育して、エストロゲンの産生が多くなってくると、もっと卵胞に刺激を加えようとFSHの分泌量が増えます。さらに、エストロゲンの分泌量が増えて、最終的に排卵の刺激であるLHサージが起こります。

女性の体は生命を育むために、毎月毎月この複雑な機構を使って、頑張って働いているのです。

そりゃあ、生理前にイライラしたり、生理痛でお腹が痛くなったりしますよね。

次回は、そのあたりのお話をしたいと思います。



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